就職や転職の面接では、「あなたの10年後のキャリアプランは何ですか?」というような質問をよくしてきます。
そんな先のことまで考えられないよという人もいると思います。
しかし、選考の一環として聞いている以上、答えなくてはなりません。
そこで今回の記事では、キャリアプランとは何か、どんな意図があって聞いているのか、立て方とともに解説しました。
キャリアプランの意味
キャリアプランの意味は、将来自分が仕事上でどのような姿でありたいのか目標を作り、目標の達成のために必要な行動計画を立てることです。
最終目標の時間軸を決めないキャリアプランもありますが、具体的な時間軸を決めるのが一般的です。
キャリアプランの質問例は、「あなたのキャリアプランを教えてください」「将来の目標は何ですか?」という大まかな形から、「3年後・5年後・10年後あなたは何をしていますか?」という細かい形で聞かれるものまであります。
キャリアビジョンとの違い
分かりやすく言うと、具体的な行動計画があるか無いかの違いです。
キャリアプランは目標を決めて、実現するためにすべきことを一定の時間軸の中でまとめたものです。
一方で、キャリアビジョンは願望だけです。具体的な行動計画はありません。
しかし、具体的な行動計画が伴えば、キャリアプランに生まれ変わります。
キャリアデザインとの違い
キャリアデザインはプライベートを含みますが、キャリアプランは含みません。
仕事に特化したのが、キャリアプランと覚えておくと分かりやすいです。
キャリアパスとの違い
キャリアパスのパスは、道という意味があり、そこから発展して、進路という意味にも捉えられます。
キャリアパスは会社側が提示するのが基本で、会社の中での道筋なのに対して、キャリアプランは一つの会社に捉われないという違いがあります。
キャリアプランを立てるメリット・デメリット
キャリアプランは面接で聞かれるので、考えておくと役に立つというのは当たり前のことです。それ以外に、メリットはあるのでしょうか?また、デメリットもあるのでしょうか?以下にまとめました。
キャリアプランを立てるメリット
入社後、自分が何をすべきか明確になるのがメリットです。
漫然と受け身で仕事をする人は、何をしたらよいのか分からなかったり、やる気が出ないので、良い評価をされることはありません。
しかし、やるべきことが明確になっていれば、積極的に仕事ができるので、自然と評価も高くなり、キャリアプラン通りにキャリアアップできます。
キャリアプランを立てるデメリット
計画したことを修正しなければならなくなることがあるのがデメリットです。
入社後に、思い描いていた仕事を実際にしてみると、理想とのギャップに悩むことがあります。
ギャップだけならまだしも、合わないと感じて異動したり、転職したりすることもあります。
さらに、45歳でのリストラが起こっているように、終身雇用が約束されない時代になっています。
だからこそ、キャリアプランを修正する必要が出てきます。
キャリアプランを聞く意図
面接官は何を意図してキャリアプランを聞いてきているのか気になりますよね?そこで、何を見ているのかまとめました。
志望意欲があるか
志望動機で「○○をしたい」と述べたら、それをどうやって実現するのかを答えるのがキャリアプランです。
つまり、キャリアプランは志望動機の延長線上にあるのです。そのため、志望意欲があるのかを判断している側面があります。
よく考えてください。「競合の経営者になりたい」というキャリアプランを言ったら、即不採用です。
あくまでも志望先で完結する話をしないといけません。
どんなキャリア観を持っているか
採用する側は応募者がどんな人か知りたいと考えて、質問をしてきます。
キャリアプランを聞いてくる場合には、どんなキャリア観を持っているのかを知りたがっています。
管理職、クリエイティブ、スペシャリストなど様々な志向がありますが、自分がどれに当てはまるのかを把握して、論理的に答えられるようにしておきましょう。
価値観が合っているか
個人のキャリアプランと企業の目指しているところに乖離があると、不採用になりやすいです。
つまり、価値観が合っていないということです
無理に合わせるとミスマッチになるので、志望しない方が良いのですが、志望道が高い場合には、折り合いをつけて、企業の意向に沿うような立て方をすることも必要です。
どれくらいの速さで計画を立てているか
キャリアプランを実現する速さも見ています。
ここで注意したいのが、早すぎても遅すぎてもいけないことです。
3年目で社長になりたいとか、20年後に係長というようなあきらかに時間軸がおかしいキャリアプランはしてはいけません。
じっくり複数の職種を経験させて育てる企業もあれば、ジョブ型採用で早期に戦力化しようとする企業もあるので、自分の志向にあったところを選ぶのも大事です。
成長意欲
「20年後も平社員でいいです」というキャリアプランは、成長意欲が全く感じられないので、不採用になってしまいます。
会社も現状維持のままだと、競合他社に追い抜かされてしまうので、少しでも高い目標を掲げなくてはなりません。
だからこそ、個人レベルでも成長意欲が感じられる話をしないといけません。
働くイメージができているか
キャリアプランは働くイメージができていないと立てることができません。
働くイメージを持つためには、企業研究、職種研究、自己分析、志望動機ができていることが必要です。
だから、これらの下準備は疎かにできません。
キャリアプランの立て方
キャリアプランで見られているポイントとして、価値観が合うか、計画性があるかを挙げました。では、実際にどうやって対策をすればよいのでしょうか?確認しておきましょう。
逆算する
45歳でリストラとか、勤務先が急に資金繰りが悪くなって倒産したという例があるので、キャリアプランなんて、立てられないと思う人が多いでしょう。
しかし、それでもキャリアプランは立てないといけません。
そこでポイントとなるのが、逆算です。
例えば、「10年後のキャリアプランを教えてください」と面接官に聞かれたら、10年後に自分はどうなっていたいのかを考えて、そこから現在までにどうすれば良いのかを考えるのです。
キャリアプランの具体例
どのように逆算をしてキャリアプランを立てればよいのか、具体例で確認してみましょう。設定は、10年後とします。
- 10年後に新規事業企画を担当
- 顧客・市場のニーズを把握するために、新規営業開拓をする
- 新規営業開拓に必要な質問力を養うために、既存営業で経験を積む
新規事業企画に必要なスキル・経験を想定する、新規営業開拓に必要な経験・スキルを想定するという形で考えていくと、キャリアプランを立てやすくなります。
志望動機と一貫性を持たせる
ここまでは、キャリアプラン単独で解説してきましたが、本来は志望動機と関連を持たせて作るのが好ましいです。
志望動機は、会社に入社して何をしたいのかを述べますが、そのしたいことをキャリアプランにすることによって、一貫性が生まれるので、より強力に志望意欲をアピールできます。
年代別で立て方は異なる?
基本的なキャリアプランの立て方は全世代で同じですが、最終的なキャリアの目標は異なります。
新卒・既卒や20代前半はほぼ同じです。しかし、30代前後、40代前後となると、相応の経験があるので、そこを出発点とすると、必然的に目標が高くなります。
ここに職種別の視点が加わるので、自分が志望している職種の研究をしておきましょう。