正社員不足と同じく注目を浴びているキーワードが、教員不足です。
なぜ、教員不足が起こったのか、解決策・問題点を交えて解説しました。
教員不足が起こった理由とは
教員不足とは文字通り教員の数が不足していることを指しています。
教員不足が起こったのは理由があります。
労働環境が良くない
一言でまとめると労働環境が良くないことに尽きます。
具体的には、保護者からのクレーム対応、部活動の指導による休日出勤・仕事の持ち帰り、病欠・産休による仕事の代替など複数の要因があります。
長時間労働やストレスが溜まり、耐えられなくなって辞める人が続出しています。
志願者数の減少
労働環境が良くないことを耳にしている学生が教員になることを敬遠しています。
辞める人が多く、志願者数が減ると、必然的に数が足りなくなります。
就職氷河期世代の採用を絞った
教員に限りませんが、就職氷河期世代の教員が圧倒的に足りません。
これは当時の学生が敬遠したわけではなく、採用する側が就職氷河期世代の採用を絞ったことに起因しています。
教員不足の解決策
教員不足の解決策はとても明確です。
就職氷河期世代・非正規講師の登用
教員を増員するにあたって適している人材が、就職氷河期世代と非正規雇用の講師です。
就職氷河期世代は教員免許を保持している人が多くいます。
非正規講師もすでに現場で正規と変わらない仕事をしています。
免許を持っていない社会人を雇用する動きがありますが、まずは就職氷河期世代と非正規雇用の講師を正規登用すれば、問題は解決します。
残業代の全額支給
増員と合わせて対処しておきたいことの1つが、相応の残業代の全額支給です。
給特法で月給の4%を残業代としていますが、これを10%にするという動きがあります。
しかし、定額・定率にするということは、働かせ放題にもつながるため、好ましくありません。
定員を増やせば残業は減るため、全額支給でも問題はないでしょう。
仕事を仕分ける
生徒とのコミュニケーションの一環かもしれませんが、学級日誌や宿題の採点などの仕事を思い切って廃止することも必要でしょう。
それによって、労働環境の改善が期待できます。
部活動も例外ではなく、外部委託が進んでいますが、思い切って廃止するという選択肢もありです。
オンデマンド授業の導入
教員を増やすのではなく、オンデマンド授業を導入して、省力化・省人化するという方法もあります。
教員不足を解決する際の問題点
教員不足を解決する際には問題点があります。
採用枠の拡大は予算の増加が必要
増員するというのは誰でも思いつきますが、事は単純ではありません。
教員の多くは公務員ですが、最少の人数で最大の効果を上げる事が求められており、地方公務員法をもとに条例で定員管理をしています。
増員をするためには、議会を通す必要があります。
非正規で調整しようとする意識が強すぎる
増員の必要性は認識しているものの、正規雇用の教員を増やそうとしていません。
非正規を増やしてどうにか乗り切ろうという考えになぜか固執しています。
おそらくは、定員管理が頭にあるのでしょう。
しかし、その意識を変えないと、問題の解決には至りません。
免許なしでの雇用は制度自体が意味を成していない
志願者数を増やすために、教員免許なしでも応募できるようにする自治体が出てきています。
社会人経験を活かした指導は確かに意味がありますが、それでは教員免許が存在する意味がありません。
頑なに就職氷河期世代を無視している
就職氷河期世代には教員免許を保持している人がたくさんいます。
就労環境・待遇を改善して、就職氷河期世代の免許保持者を雇用するのが、不足解消の近道ですが、完全に無視されています。
これは非正規の件と同様に、意識を変えないといけないでしょう。