リーマンショック世代とは?抱える問題点・今後を解説

リーマンショック世代のイメージ 就職氷河期

リーマンショック世代とはどんな世代なのか、意味、発生原因、問題点を解説しました。

リーマンショック世代の意味

リーマンブラザーズ証券が破綻した後の、2010年から2013年に大学などを卒業し、社会人になった世代のことを指します。

リーマンショックそのものの影響を受けたのは2010~2011年卒ですが、2011年に東日本大震災があっため、2012年・2013年卒まで含めます。

西暦で言うと、1988年(昭和63年)から1992年(平成4年)に生まれた人達で、2020年現在の年齢で言うと、29~32歳になります。

バブル崩壊後のロスジェネ世代を第一次就職氷河期とすると、リーマンショック世代は第二次就職氷河期と呼ぶ人もいます。

2009年卒は内定取り消しに遭う

リーマンショックは2008年9月に発生したので、それまでに内定を得ていた人は、本来就職氷河期には含まれません。就職率は68.4%と決して悪くないからです。

ただし、内定取り消しに遭った人がいるため、リーマンショック世代に含める場合もあります。

就職氷河期には該当しないという意見もある

ロスジェネ世代の就職率と比べると、リーマンショック世代は就職氷河期に該当しないのではという意見もあります。

なぜなら、2003年卒がワースト1位の55.1%であるのに対して、最も落ち込んだ2010年卒でも60.8%あるからです。

その他の卒業年次も2005年卒よりも高い割合なので、就職率で見ると就職氷河期ではないと言えます。

しかし、有効求人倍率で見ると、リーマンショック世代はロスジェネ世代に比べて落ち込みが激しいので、就職氷河期に含めてもいいでしょう。

リーマンショック世代が発生した原因

リーマンショック世代はなぜ発生したのか、その原因はリーマンブラザーズ証券の破綻です。

リーマンショックとは

2008年9月15日に、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻したことにより発生した金融危機です。

アメリカの住宅バブルが崩壊し、主にサブプライムローンが不良債権化したことが原因です。

リーマンショックの就職への影響

2009年卒で内定取り消しにあったり、2010年卒の公認会計士試験合格者2,000名のうち700名が就職浪人を余儀なくされるということがありました。

このほかにも2010~2013年卒で就職できない人が多数発生しています。

特に、2010年の就職率は前年の68.4%から60.8%に7.6%減り、下落幅としてはかなりのものです。

一応60%以上はあるものの、体感的にはまさに氷河期でした。

リーマンショック世代が抱える問題点

リーマンショック世代が抱える問題もロスジェネ世代とほぼ同じです。

就職氷河期として認識されないことがある

ロスジェネ世代と違う点は、就職率が60%以上あるので、就職氷河期として認識されにくいことです。

ツイッター上では、ロスジェネ世代を第1次就職氷河期世代と呼んでいて、コロナ世代を第2次就職氷河期世代と呼ぶ人が多く、リーマンショック世代のことが忘れ去られています。

ここで、就職率ではなく、有効求人倍率で見ると、ロスジェネ世代よりもリーマンショック世代の方が遥かに低いので、間違いなく就職氷河期と言えます。

リーマンショック世代への支援がない

ロスジェネ世代への支援は、2020年から3年間の予定で始まりました。

しかし、リーマンショック世代はロスジェネ世代よりも若く、氷河期の期間も短かったことから、国の就職支援は今のところありません。(緊急経済対策として、12,000円の定額給付金を支給)

また、新型コロナウイルスの蔓延で、新たな就職氷河期世代ができてしまいそうなので、このままでは忘れ去られてしまうでしょう。

家族を養える収入ではない

バブルが崩壊してから20年以上経ちますが、給与は伸びていません。横ばいです。

それでいて、税金は増えているので、手元に残るお金は減っています。

だから、生活が苦しく感じるのです。

また、平均年収はあまり変わっていないように感じますが、実際は、中間層がごっそり無くなっているので、高収入と低収入の二極化が進んでいます。

そのため、低収入の人は家族を養える収入ではなく、結婚もできません。

リーマンショック世代への国の支援策

1970年から1984年頃に生まれたロスジェネ世代は、一応国による支援が2019年ごろから始まっています。

ところが、リーマンショック世代は全くなかったことにされていて、何の支援もありません。

ロスジェネ世代よりは若いから、挽回の時間がある、もしくは、ロスジェネ世代よりも就職率が良かったから、無かったことにしているのかもしれません。

リーマンショック世代の今後

2023年現在のロスジェネ世代と同じ年齢になった時に、ニートや非正規雇用者の多さがクローズアップされるでしょう。

ロスジェネ世代ほどではないものの、将来の国の財政をさらに圧迫することになるので、その時点になってようやく対応を始める可能性が高いです。

そうなってからでは、手遅れに近いので、30代のうちにプログラミングのような、将来必要とされるスキルを身につけて、自力で稼げるようにしておかないと、非常に厳しいです。