職務経歴書の書き方として、編年体式があります。
どのような書き方なのか、メリット・デメリットを踏まえて解説しました。
編年体式とは
編年体式は職務経歴書を時系列で記載する形式(フォーマット)のことを指します。
最もオーソドックスな形で、多くの人が職務経歴書を書く時に、編年体式を用いています。
職務経歴書の中でも編年体式を用いて書く箇所は、職務要約と職務内容です。
職務内容を他の形式で書いても、職務要約は編年体式で書くのが一般的です。
編年体式のメリット
編年体式のメリットは2つあります。
採用担当者が読みやすい
採用担当者に限らず人は、起承転結に慣れているので、過去から現在という流れで書かれている文章は読みやすく感じています。
例えば、皆さんが本を読む時にはどこから読み始めますか?
ほとんどの人が前から読み始めるはずです。
途中や後ろから読むという人でも、まずは目次を確認している人が多いのではないでしょうか?
だから、職務経歴書も同様に編年体式で書かれていると、順を追っていけるので、読みやすいのです。
成長のプロセスをアピールしやすい
過去から現在まで順を追って読み進めていけるということは、成長のプロセスをアピールしやすいです。
例えば、最初は全く営業電話もすることができなかったのが、契約をバンバン取れるようになり、最終的には部長に昇進したという流れを職務内容に書くだけで、成長を感じます。
どんな業界でも使える
キャリア式と違い、編年体式は汎用性が高いので、どんな業界でも使うことができます。
編年体式のデメリット
編年体式にはメリットだけでなくデメリットもあります。
最新の職務経験が埋もれてしまう
順を追って職務経験を理解できるのは良いのですが、肝心の今現在はどうなのかが読み進めないと分からないのが欠点です。
転職回数が数回、もしくは、それに相当する年数を1社だけで在籍している場合は、許容範囲です。
しかし、転職回数が5回・6回だったり、転職していなくても、10年・20年勤めていると、職務内容に記載することが多くなってしまい、最新の経験が埋もれてしまいます。
このような場合には、逆時系列式で書いた方が、採用担当者も理解しやすいです。
アピールしたい経験を伝えにくい
1つめのデメリットと似ていますが、5社経験している中で、途中の2~4社目の経験を自分が最もアピールしたい場合、編年体式だと伝えにくいです。
この場合は、職務経験ごとにまとめるキャリア式で職務経歴書を書いた方が、アピールしやすいです。
編年体式に向いている人
編年体式のメリット・デメリットを把握したところで、向いているのはどんな人なのか、確認しておきましょう。
転職回数が少ない人
転職回数が少なければ、職務内容に書くことも多くなり過ぎないので、編年体式に向いています。
目安としては、1社あたりの在籍期間が長くなければ、3社が限界です。
転職経験なしで在籍期間が10年未満の人
転職したことはなくても、在籍期間が10年未満で、異動も少ない場合は、編年体式で書いても問題ありません。
ただし、別の職種への異動が複数回ある場合は、転職しているのと同じなので、キャリア式の方が向いていることもあります。
編年体式に向いていない人
編年体式に向いていない人は向いている人の裏返しです。
転職回数が多いジョブホッパー
転職回数が5回・6回と明らかに多いジョブホッパーと呼ばれる人は、編年体式で職務経歴書を書くのは向いていません。
もし編年体式で職務経歴書を書いていたら、枚数がかさんでしまい、書類選考の段階で読んでもらえない可能性もあります。
異動や担当プロジェクトが多い人
異動や担当プロジェクトが多い人も転職回数が多い人と同じです。
社内なのか社外なのかの違いだけです。