既卒とは?意味を分かりやすく解説

既卒のイメージ 一般用語

既卒という言葉の意味を、メリット・デメリットや第二新卒との違いを踏まえて解説しました。

既卒の定義

既卒は、大学や短大などの学校を卒業して、就職していない人のことを指します。

ここでいう学校とは、高等教育課程のことを指し、高校は含みません。

既卒という文字の意味だけで見ると、「既に卒業した」なので、学校を卒業した全ての人のことを指すように思えますが、そうではありません。

卒業後3年以内の既卒は新卒扱い

2012年に、国の方針によって、卒業後3年以内の既卒は新卒扱いとなりました。

方針が浸透するのに時間がかかりましたが、一応は新卒として扱ってもらえるため、チャンスが広がりました。

新卒扱いは建前という指摘もある

新卒向けのサービスが卒業後も3年以内であれば利用できますが、実際のところは、建前だという指摘もあります。

例えば、リクナビなどの就活サイトを利用して応募しても、既卒であることは分かるので、新卒重視の企業は不採用にしているところもあります。

また、不景気になると、新卒よりも立場が悪くなるので、新卒扱いに過剰に希望を抱かない方が良いです。

既卒の就職率

既卒の就職率は国が出しているデータと、マイナビが出しているデータがありますが、どちらもほぼ同じで、40%台の就職率になっています。

新卒の約半分しかない既卒の就職率

マイナビが出しているデータでは、2019年度既卒者の就職率が43.3%で、現役学生の82.6%と比較すると、約半分しかありません。

2000年代前半の就職氷河期の新卒の就職率で最も悪かった年で約55%だったので、体感的には既卒の就職率は就職氷河期よりも厳しいということになります。

1年経つごとに既卒の就職率は下がっていく

卒業後3年以内であれば、いつでも40%台前半の就職率があるというわけではありません。

1年経つごとに就職率は下がっていきます。

既卒になった年が最もよく、1年経つと3分の1ほどに下がります。

そのため、既卒になった年に就職を決めないと、そのまま無職が続くことになります。

遅くても20代のうちに就職を決めておきたい

卒業後の新卒扱いがなくなる既卒者は20代のうちに就職を決めておきたいです。

なぜなら、30代になると既卒の求人がガクッと減ってしまうからです。

日本の人口が減っている、つまり労働人口も減っているので、30代の既卒も多少チャンスが広がっていますが、基本的には若者としてみているのは20代なため、空白期間は長くならない方が良いです。

フリーター、ニート、第二新卒との違い

既卒に関連してよく出てくるキーワードがあります。

それは、フリーター、ニート、第二新卒です。この3つとの違いをまとめました。

既卒とフリーターとの違い

既卒とフリーターは一緒なように思えますが、厳密には異なります。

フリーターはいったん就職した後に失職して、なった人もいます。

そのため、フリーターの全員が既卒というわけではありません。

既卒とニートとの違い

既卒とニートもフリーターと同様に一緒なように思えますが、異なります。

ニートは今現在そうであるだけで、過去には就職歴がある人がいます。

この点はフリーターと同様です。

既卒と第二新卒との違い

既卒と第二新卒は明確な違いがあります。

それは、職歴の有無です。

第二新卒は新卒として就職して3年未満の人を指しますが、職歴があります。

一方で、既卒は職歴がありません。

アルバイトをしている既卒はどうなの?と思うかもしれませんが、ほぼ職歴とは見なされないため、比較になりません。

既卒のメリット・デメリット

ここで既卒のメリット・デメリットについても確認しておきましょう。

既卒のメリット

すぐに働ける

新卒と違いフリーな状態なので、企業側がすぐに働いて欲しいと思った時に、応じることができます。

これが新卒だと、卒業まで待たないといけないので、欠員募集があった時は既卒の方が有利です。

若さがある(20代まで)

企業は新陳代謝を計っていかないといけないため、毎年一定程度の若者を採用する必要が本来はあります。

新卒を採用することが難しい企業は、新卒とさほど変わらない若い人材を獲得できるので、20代という若さがあるだけで有利です。

既卒のデメリット

不景気になった時に不利

バブル崩壊やリーマンショックなどの不景気に陥った時には、既卒は不利になります。

不景気は新卒も既卒も関係なく求人が減らされるので違うのではという意見もありますが、新卒至上主義が抜けきっていないため、既卒の方がより不利になります。

年を重ねるほど求人が減っていく

20代でも卒業後1年経つごとに就職率が減っていきますが、まだ求人はあります。

しかし、30歳を境に求人は一気に減っていきます。

これは、年を重ねるほど素直さがなくなっていき、年下上司と年上部下という人間関係の調和を保つのが難しいという事情があります。

結婚が難しい

無職もしくは低収入なので、既卒のままだと結婚は難しいです。

社会的信用がない

クレジットカードを作るにしても、アルバイトでも作れるカードはありますが、ちゃんとしたところは審査に落ちる可能性が高いです。

老後が不安

年金制度そのものが不安視されている中で、自分で積み立てておくにしても収入がほぼないので、対策のしようがありません。