就職と転職の違いを考えたことはありますか?
職に就くのか変わるのかという違いは誰でも分かると思います。
今回、エピソード、応募書類、選考基準など6つに分けて違いを解説しました。
エピソード
1つ目の就職と転職の違いはエピソードです。
就職であれば学生時代の経験、転職であれば職務経験を用いるからです。
就職は学生時代の経験
就職のガクチカや自己PR、志望動機などは学生時代の経験をもとにして書いたり、話したりします。
大学生であれば大学時代、高校生であれば高校時代の経験を用います。
高校時代のことでも、大学まで続いていれば、使えます。
大学時代に何もしていない人は、就職の選考で使えるエピソードが無いので、苦労するでしょう。
転職は職務経験
転職の自己PRや志望動機は職務経験を書いたり、話したりします。
特に、職務経歴書はその名の通り、現在までの職務経験を記述する書類です。
就職と同じように、社会人として意識して働いてこなかった人は、目立った成果や成果に至るまでのプロセスを書けないので、とても苦労します。
意識していないと選考で苦労する
就職でも転職でも述べましたが、学生時代や仕事に意識して取り組んでいない人は、選考に苦労します。
この点に関しては両方ともに一致しています。
応募書類
2つ目の違いは、応募書類です。
それぞれに共通するものもあれば、独自に求められるものもあります。
就職と転職に共通する応募書類
就職と転職の両方に共通する応募書類は履歴書です。
市販の履歴書であれば全く同じです。
しかし、大学で販売されている履歴書は、就活に特化した大学独自の履歴書になっていることがあるので、見た目の違いはあります。
就職で求められる応募書類
履歴書以外の応募書類は、エントリーシート、自己PR書が挙げられます。
また、応募書類ではありませんが、動画選考というものがあり、自己PR動画を撮影する必要があります。
就職ではこれらの3つが転職にはない特有なものです。
エントリーシートは企業によって設問が異なるので、とても難儀しますが、自己分析と企業研究をしっかりやっておけば十分に対処できます。
転職で求められる応募書類
履歴書以外の応募書類は、職務経歴書、志望動機書が挙げられます。
基本的に職務経歴書が就職にはない特有の応募書類です。
志望動機書は、応募者が多い企業の選考で求められることがあり、採用担当者の手間を省くだけでなく、志望度の高い人を集めるために用いられます。
もしかしたら、就職でも求められることがあるかもしれません。
OB・OG訪問・インターンシップ
3つ目の違いは、OB・OG訪問とインターンシップです。
就職はOB・OG訪問しやすい
就職活動で興味のある業界や企業のことを知るための手段としてOB・OG訪問があります。
大学の卒業生名簿からOB・OGにコンタクトを取る人もいれば、OB・OG訪問アプリを利用する人もいます。
だから、就職はOB・OG訪問がしやすいです。
転職はOB・OG訪問しにくい
一方で、転職はOB・OG訪問がしにくいです。
いったん社会人になってしまうと、大学の卒業生名簿にアクセスすることができなくなり、アプリも使えなくなるからです。
ビジネス交流会や勉強会などで人脈を広げて、知り合った人に紹介してもらうという方法もあります。
多くの人はやろうとしませんし、必ず希望の業界・企業の人と出会えるわけではないので、効率は良くないです。
ビジネスSNSで社会人でも会社訪問がしやすくなる?
これまでは、OB・OG訪問がしにくかったのは事実です。
しかし、ビジネスSNSの登場で以前よりはしやすい環境になりました。
ビジネスSNSの代表例としては、linkedIn(リンクトイン)やWantedly(ウォンテッドリー)、Eight(エイト)があります。
社会人でOB・OG訪問を考えている人は利用してみると良いでしょう。
インターンシップも就職は豊富
インターンシップも就職の場合は豊富なので、しやすいです。
社会人向けはどうかというと、社会人向けインターンシップがあり、数としては就職に劣りますが、徐々に増えてきています。
東京しごとセンターでも、非正規向けのインターンシップを開催しているので、利用してみると良いでしょう。
双方に特有の質問
4つ目の違いとして、就職と転職の双方に特有の質問があります。
就職は学生時代に力を入れたこと
就活のエントリーシートや面接で高確率で聞かれる質問が、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)です。
どんな思考・行動をする人なのか、自社で活躍できる人材なのかを確認することを意図としています。
転職は転職理由・退職理由
転職で高確率で聞かれる質問が転職理由と退職理由です。
そもそも現在の会社に満足していれば、会社を辞める・移ろうとする理由はないわけで、どんな動機があるのかを知りたいという意図があります。
面接回数
5つ目ですが、面接回数も就職と転職では違いがあります。
就職の面接は5回・6回する会社がある
新卒の就職面接は会社の規模が大きくなればなるほど、回数が増えます。
多いところでは、5回・6回とあります。
逆に、中小零細企業の面接回数は少なく、1~3回に収まります。
この要因としては、採用にかけるリソースが少ないことが挙げられます。
大企業では、社員数も多いため、現場の社員を動員しても仕事が回ります。
しかし、中小零細企業だと、現場社員が欠けてしまうと、仕事が回らなくなることもあります。
転職の面接は多くても3回まで
転職の場合は大企業であっても、面接回数は3回が目安です。
中小零細企業だと2回で終わります。
就職も転職も面接が1回だけは注意
就職・転職ともに注意したいのは、面接回数が1回だけの企業です。
1回で済んでラッキーというわけではありません。
実は面接回数が1回だけの企業は、ブラック企業である可能性が高いからです。
通常は、雇用したら長く働いて欲しいので、面接は1回だけで終わらせません。
複数回かつ複数の人間で、自社に合った人材なのかをチェックするはずです。
ところが、1回だけで終わらせるというのは、スクリーニングが無いに等しいので、危険です。
もし、面接が1回だけの企業に内定したら、現場の社員と面談できるようにお願いしてみましょう。
ブラック企業を避ける判断ができます。
選考基準
6つ目の違いは、選考基準です。
就職はポテンシャルを見る
就職で企業が学生を見ているのはポテンシャルです。
学生は働いた経験がないので、職務経験・スキルがないのは当然です。
そんな中で、企業は学生のポテンシャルを見て採用をしています。
転職は経験・スキル・実績を見る
転職は就職と違い、職務経験・スキル・実績を見ています。
なぜなら、即戦力を期待しているからです。
新規のプロジェクトや欠員で人材が欲しい時に、未経験の人を雇って、育てている余裕はありません。
すぐに活躍できる人材でないとダメなので、経験・スキル・実績があると採用されやすいです。
転職でも第二新卒はポテンシャルを見る
通常、転職は即戦力を求めていますが、大学を卒業して3年未満の第二新卒はポテンシャルを見て採用することが多いです。
少子高齢化で、若手の人材が不足していることが要因です。
他社で一通りの研修を受けているので、自社で改めて教育するコストが少なくて済むメリットがあります。